全国生活衛生営業指導センターのページの一部に目黒支部の紹介が有りました。http://www.seiei.or.jp/advice/doukou2003/09.html このページの一部を下記に引用させて頂きました。
(1)
企業概況
- 東京都目黒区
- 目黒食肉組合
- 共同事業開始 :昭和53年
- 経営理念 :「いつか自分たちの時代がやって来る」
(2)
目黒区の食肉小売店34店が産地直送の豚肉を販売ア組合の共同事業として豚肉仕入れを企画目黒区内の食肉小売業者数人は、創業50年の長い業歴をもつ食肉小売店の店主
浦部三十三さんを中心に、今から25年前、産地直送の豚肉仕入れを組合の共同事業として発足させようと、区内にあった食肉小売店165軒を訪ねて説得して歩いた。当時、共同事業は大半が失敗するのが当たり前との見方が強かった。一国一城の主である中小企業者が共同化することに危惧の念を持つ専門家が少なくなかった。目黒区内の食肉小売業者の場合もご多分にもれなかった。これまで取引してきた食肉問屋の手前もある。共同事業はきれいごとに過ぎない。本当にうまくやれるのかなど、共同事業を疑問視する同業者から反対の火の手があがった。発足までは苦労の連続であった。第一、どこで良い豚肉が生産されているのかもわからなかった。しかし、乗り出した船、安全でおいしい豚肉を地元の消費者に提供したいという熱意に「いつか自分たちの時代がやって来る」という信念の下に行動を起こした。イ全国行脚の末、とうとう最良質の豚肉を発見浦部三十三さんと発起人達は全国の生産者を訪ね歩いた。ある日、茨城県の養豚業者を訪ねたとき、目をうならせる豚肉に出くわした。茨城県銘柄豚振興会が7世代にわたり選別
した系統豚を大麦飼料で育成した豚(ローズポーク)である。飼育技術に優れた生産者や飼料を吟味に吟味を重ねて探した揚げ句のおいしさと安全性を追求した逸品であった。それだけに、生産者側は販売店についても厳選した。Uさんや発起人たちは、生産している生産者と直接接し、人柄がわかって初めて肉の品質が保証されることを思い知らされた。つまり、生産者の顔が見える商品である。なぜなら問屋で枝肉として並んでいて、生産者がわからない肉よりも大きな信頼を寄せることができるからである。ウ安全で高品質の豚肉を安定供給ロ−ズポ−クの産地直送事業は、25年前の発足当時から消費者対策事業として、目黒区の助成を受けている。助成があるため、消費者は本来の価格の3割引で購入できる。事業の目的はス−パ−など大型店の競争に巻き込まれず、消費者のためになる安全で高品質の肉を提供することである。25年前の方針がいまだに守られている。ロ−ズポ−クは、食肉業界が主催する2002年の食肉産業展で銘柄ポ−ク好感度コンテストの最優秀賞を受賞しただけのことがあり、目黒区内の消費者の評判は極めて良い。エ最も注目されるのは持続力目黒区の共同事業のうち、最も注目されるのは持続力である。東京23区のほとんどが消費者対策として産地直送事業に取り組んだが、現在まで続いている例はあまりない。現在では、目黒区内で50店まで減ってしまった食肉小売専門店のうち34店が共同事業に参画しロ−ズポ−クを取り扱っている。オ「カレ−もやっぱり目黒に限る」14年暮れから、ロ−ズポ−ク発売25周年記念事業として「めぐろ限定・目黒食肉組合店のポ−クカレ−」を開発し、販売を行っている。レトルトカレ−で1個300円である。このカレ−のコピ−がおもしろい。目黒は落語の「目黒のさんま」で有名である。それをもじって、「サンマは目黒、カレ−もやっぱり目黒に限る」として売り込んでいる。地域のカレ−として評判が評判を呼び、全国の消費者や小売店から購入の申込みが舞い込んでくる。今では、毎月約1800食の売上げがある。最近は大手ス−パ−からの引合いもあり、近く販売に踏み切る。カ地域密着、消費者の見学会を実施消費者にロ−ズポ−クの理解を深めてもらうため、年一回、茨城県の生産者を訪ねる見学会が行っている。定員100人に対して5〜6倍の申込みがあるほどの人気である。現地では、生産者からロ−ズポ−クに使う飼料や豚の飼育状態などの説明を受ける。(3)攻めの商売が勝ちを呼ぶ共同事業は、参加店の売上げが伸びたり、消費者の良い反響があったりなどの効果
が上がらないと団結するのは難しい。東京都食肉生活衛生同業組合の芹田光司目黒支部長は、浦田さんをはじめとする共同事業参加店について、「常に攻めの商売をしていかなければならない。守りに入ったら負け。それには、日々勉強して“勝ち組みで行く”という姿勢が大切。われわれは勝ち組みといえる」と高く評価している。浦部さんが「いつか自分たちの時代がやって来る」という信念で発足した産直事業は、25年立ったいま、まさにその時代を迎えているのである。商売には、何事も信じ、常に明確な目標をもって行動することが極めて大事なことを実践の中で教えてくれている。(全国生活衛生営業指導センタ−「生衛ジャ−ナル」2003年5月号参照、加筆)
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